【2019.2.4放送】『ミスター・ガラス』をもっと楽しむための課題映画4選!

【2019.2.4放送】『ミスター・ガラス』をもっと楽しむための課題映画4選!

宇多丸:
先週金曜日のムービーウォッチメンで扱ったのは、M・ナイト・シャマラン監督の『ミスター・ガラス』。この映画をもっと楽しむための作品をいくつか紹介したいと思います。

ということで『ミスター・ガラス』。M・ナイト・シャマランの2000年の『アンブレイカブル』、そして2017年の『スプリット』に続く三部作の完結編、という位置づけですね。M・ナイト・シャマラン流のヒーロー論、というような話なんですけども。M・ナイト・シャマラン作品はU-NEXTにいろいろと入っていますけども、まずはやはり2000年の『アンブレイカブル』をぜひ観ていただきたい。これはなんでかって言いますと、先週も言いましたかね。U-NEXTは配信をする期間をちゃんと明記してくれているんですね。

熊崎風斗アナ:
ありがたいですよね。

宇多丸:
これ、ありがたいでしょう? いつの間にか「あ、これもう観られなくなっているじゃないか!」みたいなのがなくて、ちゃんと「○○までだから早く観なきゃ」みたいなのがあるんですけども。なんとみなさん、この2000年の『アンブレイカブル』。ブルース・ウィリス主演、サミュエル・L・ジャクソンも出ております。こちら、2月14日23時59分までとなっております。(放送時)バレンタインデーでうつつを抜かしている間に配信が終わってしまう。ということで、一刻も早く観ていただきたい。

これは特にですね、その前年の1999年の『シックス・センス』でね、M・ナイト・シャマランが非常にブレイクしたわけですよ。で、主演も同じブルース・ウィリスでということで、世界の観客がその『シックス・センス』的ななにかというか、まあ、いま観ると『シックス・センス』はM・ナイト・シャマラン映画以外の何物でもないんですけども。まあ、ハートウォーミングな、もしくは大どんでん返しみたいな、そういうところを期待して観に行って、この『アンブレイカブル』を観て非常に呆然としながら劇場を出たっていう。

「どんな気持ちになればいいんだ?」っていう風に、みんな劇場を呆然としながら出たものですけども、まあある意味その「どんな気持ちになればいい映画か」っていうのを、今回の『ミスター・ガラス』でついにちゃんと決着をつけてくれた、っていうところもありますので、ぜひぜひ。僕はM・ナイト・シャマランの映画の中では『アンブレイカブル』がいちばん好きです。

あとですね、これは評の中でも言いましたけど、実は今回の『ミスター・ガラス』、M・ナイト・シャマラン作品としていちばん関連性、非常に重要度が高いのは、『レディ・イン・ザ・ウォーター』という2006年の作品じゃないかと思います。これ、本当に変わった映画で。ちょっとね、口でなかなか説明しづらいし、映画全体のトーンも、コメディーともファンタジーともホラーともつかないというか。でも、最後はものすごくじんわり来るんですけども。

あのね、ポール・ジアマッティさん演じる主人公が、ある理由から非常に孤独な人生を送っているアパートの管理人で。で、真ん中にプールがあるアパートなんですね。で、いろんな様々な住人が住んでいるんだけど。その住人の中には、たとえばなぜか片腕だけ鍛え続けて、片腕だけが妙にデカくなっている男とか…なんでだよ?っていうね(笑)。でも、ちゃんとその後にその「なんでだよ?」への説明がつくんだけど。まあ、そんなところの管理人をやっていて。

そしてある時に、そのプールにどこから来たのかわからない謎めいた女の人がいるわけですよ。で、その女の人の名前が「ストーリー」っていうんですよ。で、いろいろあって、いろんな段階を踏んで…その「ストーリーを世界に旅立たせる」ため、いろんなことをやるわけです。つまりその、フィクションとか物語っていうのを世の中に発信する、ということを、メタファーではなく、そのままの話としてやるっていうか。非常に変わった試みをしていて。しかもその中で、のちに世界を変える本を書く人、っていうのが出てくるんですけど、その役柄をやっている人が、M・ナイト・シャマラン本人だったりして。「お前はいったいどういう…お前、ちょっ、お前…自分の置きどころ、ちょっ、おま…」っていう感じ(笑)。

ただ同時にM・ナイト・シャマランは、すごく素直な気持ちで、自分のメッセージ論みたいなのを『レディ・イン・ザ・ウォーター』っていう作品に込めているんだけども。『ミスター・ガラス』、今回のは非常にフィクション論、想像力論、物語論という意味で、重なるところが大きいんじゃないかなっていう風に思っております。

あとですね、これは評の中では言ってないやつなんだけど。時間があったら言おうかな、ぐらいに思っていたんですけども。今回の『ミスター・ガラス』の…本当の、現実の世の中にスーパーヒーロー的な力を持った人が出てきたとして、そうしたらもう、世界の見え方は変わっちゃうじゃないですか。僕らにとって。そんな人たちがいるんだったら、いままでの世界の仕組みはなんだったの?科学はなんだったの?っていうことになって、世界が永遠に変わってしまう体験じゃないですか。ヒーローが出てくるというのは。

なおかつ、そのヒーローが出てくるっていうことは、必ずセットでヴィラン、同じような能力を持った悪いやつが出てくることで、ようやくバランスが取れる…というような話で言うと、実は『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』、2016年の作品。これでジェシー・アイゼンバーグ演じるレックス・ルーサーがこね回している理屈…実は『ミスター・ガラス』と近いようなことを言いたかったとも言えるな、という風に、あとでさかのぼって思ったりしました。

ただ『ミスター・ガラス』は、やっぱりその『バットマン vs スーパーマン』がいろいろとこねくり回したところを(笑)、ものすごく本質論としてバシッと、シンプルにタイトに出したっていうところで…っていうことですね。まあ、見比べてみると意外と同じようなメッセージかもな、っていうことが浮かび上がってきて、面白かったりするんじゃないでしょうかね。みたいなあたりで、今回はこの3本にしておきましょう。

■宇多丸推薦! 『ミスター・ガラス』の次(もしくは前)にU-NEXTで観るべき映画
  • 『アンブレイカブル』M・ナイト・シャマラン監督/2000年
  • 『レディ・イン・ザ・ウォーター』M・ナイト・シャマラン監督/2006年
  • 『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』ザック・スナイダー監督/2016年

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