【2019.1.7放送】『アリー/スター誕生』をもっと楽しむための課題映画6選!

【2019.1.7放送】『アリー/スター誕生』をもっと楽しむための課題映画6選!

宇多丸:
先週金曜日のムービーウォッチメンで扱いましたレディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー主演でリメイクされた…これはだから3回目のリメイク、4作目となるんですけども、『アリー/スター誕生』をもっと楽しむための作品をご紹介していきたいと思います。

(Lady Gaga, Bradley Cooper『Shallow』が流れる)

はい。ということでこの『Shallow』、ゴールデングローブ賞で歌曲賞的なのを取りましたよね?「主題歌賞」というような感じで、非常に評価も高い作品です。私も非常によかったと評価しましたが…いろんな切り口があるんだけど、どれから行こうかな?たとえば評論の中で、ブラッドリー・クーパーが監督・主演でもあるんだけど、自分で演奏をして歌って、ってやっているわけですね。とにかく、ものすごいんですよ。彼はもともとそんなギターをやっていたりもしなかったし、歌を歌ってもいなかったんだけど、この役、この作品のために、ウィリー・ネルソンの息子のルーカス・ネルソンっていう人についてまわって、1年ぐらいかな?ずーっと訓練を重ねて。

で、もう本当のフェスに出て、演奏シーンとかを本当に客の前でやって撮っていたりとか、そんぐらいのところまで持っていったという。レディー・ガガとデュエットをするというところまで持っていって、本当にすごいんですけど。で、評の中でも言いましたけど、きっと彼の念頭にあったのは、『クレイジー・ハート』という2009年の作品。これ、ジェフ・ブリッジスがやはり酒浸りのカントリー歌手っていうのを演じていて。

たぶんこのジェフ・ブリッジスの好演っていうのが頭にあったんだろうなと。このジェフ・ブリッジスを超える、っていうのがひょっとしたら裏テーマだったんじゃないのかな?って思うぐらいのね。だから、「演奏して歌う」っていうのは、ジェフ・ブリッジスがすごい最高のレベルでやっているわけ。そこで今回のブラッドリー・クーパーは、「演奏して歌う」だけじゃなくて、「曲作りをする」というところまで持っていっちゃったっていうね。そういうところで、この『クレイジー・ハート』のジェフ・ブリッジス超え、というのが裏テーマとしてあったんじゃないかな?っていうのがひとつ、想像するあたりですね。

あと、評の中でチラッと言ったあたりだと、この『アリー/スター誕生』という作品はいろんな過去の作品にオマージュを捧げていて。たとえば、最初のオープニングタイトル。『A Star Is Born』って出るところが超かっこいいんですけど。そこのところで、レディー・ガガ扮するアリーが鼻歌を歌っていて、道を歩いていく、っていうそのショットがですね、『オズの魔法使い』という作品のオマージュだと。

で、『オズの魔法使い』といえば1939年アメリカの作品なんだけど、主演はジュディ・ガーランドで。ジュディ・ガーランドといえばこの『スタア誕生』の2作目の主演でもある、ということで。まあ、いろんなオマージュが重ねられている。ストーリー的なオマージュも重なっているんじゃないか?みたいなことも言いましたんで、『オズの魔法使い』もぜひ見ていただきたい。

あと、途中のグラミー賞の場面で、ロイ・オービソンの『Oh, Pretty Woman』っていう曲をみんなでカバーするというくだりが出てきますけども。で、ジャクソンが失態をかましてしまうというくだりがありますけども。これは当然のことながら、『プリティ・ウーマン』オマージュですね。要するに1990年の『プリティ・ウーマン』、みなさんご存知リチャード・ギア、ジュリア・ロバーツのこの作品は、『マイ・フェア・レディ』の現代版ということで。で、『マイ・フェア・レディ』っていうのは元の原作がジョージ・バーナード・ショーの『ピグマリオン』という戯曲が元になっている。

要するに「権力者の男が若くて才能がある女性をフックアップして、いつしかその女性が才能を開花させていくに従って、追い越されていく」というような、そんな話なわけです。ということで『プリティ・ウーマン』、その同じ『ピグマリオン』発の作品としてオマージュが捧げられていますよ、というあたりもありますし。

あと、今回の『アリー/スター誕生』に至るまでに、いろんな人の企画で進んでいたんだけど、ビヨンセが主演という話もあって。クリント・イーストウッドが監督をするとかビヨンセが主演するとかいう話もあったんだけど、ビヨンセ主演でこの手の話といえば、2006年の『ドリームガールズ』という作品があって。これもちょっと、女性側が才能を開花させて男のアーティストを追い抜いていく、という話が重なるかなというあたりで、『ドリームガールズ』。こちらも挙げさせていただきます。

あとはやはりブラッドリー・クーパー。思えば遠くへ来たもんだ。クリント・イーストウッドの後継者と言われるまでになったわけですけど、元はといえばこれはやっぱり、2009年の『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』。これで一気に、奇跡のブレイクをした人ですからね。で、酒浸りの話という意味では、ある意味『アリー/スター誕生』のジャクソン役とも対をなす、とも言えるし。

あと、非常に不安定さを内に秘めた役というのが上手いなということで、演技派として開花した2012年『世界にひとつのプレイブック』。デヴィッド・O・ラッセルの復活作でもありますね。ブラッドリー・クーパーもこの作品で…演技派としてのブラッドリー・クーパーが花開いた作品です。

以上、今日は6作品を挙げさせていただきました。

そして今週金曜のムービーウォッチメンは私、軽休みということで。1週お休みさせていただいている分、来週月曜のこの時間は「UTAMARU- NEXT」特別編ということで、ちょっと特別な内容をお送りしたいと思っております。

■宇多丸推薦! 『アリー/スター誕生』の次にU-NEXTで観るべき映画
  • 『クレイジー・ハート』スコット・クーパー監督/2009年
  • 『オズの魔法使い』ヴィクター・フレミング監督/1939年
  • 『プリティ・ウーマン』ゲイリー・マーシャル監督/1990年
  • 『ドリームガールズ』ビル・コンドン監督/2006年
  • 『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』トッド・フィリップス監督/2009年
  • 『世界にひとつのプレイブック』デヴィッド・O・ラッセル監督/2012年

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