【2018.10.22放送】『プーと大人になった僕』をもっと楽しむための課題映画3選!

【2018.10.22放送】『プーと大人になった僕』をもっと楽しむための課題映画3選!

宇多丸:
…ということで、先週金曜日にムービーウォッチメンで扱ったのは、大人になったクリストファー・ロビンとくまのプーさんが新たな冒険に出る『プーと大人になった僕』。こちらをご紹介いたしました。で、今回私がその関連作としてご紹介させていただきたいのは、まずね、評の中でも非常に重要作として語りました、オリジナルの、ディズニーアニメの最初の長編のやつですね。『くまのプーさん/完全保存版』というタイトルがついています。『くまのプーさん/完全保存版』、1977年に公開された作品、まずこちらをご覧いただきたいと思います。

これは評の中でも言いましたけど、もともとプーさんのすでに1960年代から1970年代にかけて公開されていた3つの短編…『プーさんとはちみつ』、『プーさんの大あらし』、『プーさんとティガー』、これは1974年ですが、この3つの作品をまとめて、なおかつ、頭とケツに実写がついているんですね。要するにプーさんというのは、もともとクリストファー・ロビンという実在の少年の、その少年が本当に持っていたぬいぐるみを元に、A・A・ミルンさんが書いた話であるという。それゆえ、まず実写でクリストファー・ロビンの部屋に入っていくと、そしたらそのぬいぐるみたちがいて…という。その画を映す。それによって、もともとこのプーさんというのは、どういう構造のお話、世界観か、ということを示す。この実写映像の部分が非常に重要である、という話をしました。

あとは劇中で、非常にタイポグラフィを使ったギャグが出てくる。これも『くまのプーさん/完全保存版』、「元は本なんだ」っていうのをすごく意識させるような、そういうつくりで。だから、結構実験的なつくりとも言えるんですね。そこが面白かったりもする。さらには、今回の『プーと大人になった僕』にも本当に直結するような部分ですけど、エンディングでは、クリストファー・ロビンがこれから寄宿学校というか、学校に行かなければいけない。で、学校に行かなければいけない年齢っていうのは、要するにもう、無邪気にただ遊んでいればよかった、遊ぶのが仕事だった幼児期っていうのはもう終わって、いろいろと学んだりとかして大人になっていかなくてはいけない時期になった、という。「なので僕はもう君たちと遊んでいる場合じゃなくなったんだけど、プー、君だけはいつまでもここにいて、『何もしない』をしていてくれ」っていう風に言うという。そういう切ない場面があるわけですけども。まさにそのセリフが今回の『プーと大人になった僕』、話の起動ポイントというか、発火点となっている。で、実際にその場面も出てきますから。実写版で。というわけで、『くまのプーさん/完全保存版』。『プーと大人になった僕』を観るには必須の参照作品ではないでしょうか。

あとですね、これも評の中で言いましたけど、ユアン・マクレガーが大人になったクリストファー・ロビンを演じているわけですけど、加齢…大人になることによって、気がついたら自分のかつてのイノセンスを喪失していた、っていう話で言うと、ダニー・ボイル監督とユアン・マクレガーの出世作『トレインスポッティング』の、20年ぶりの続編、『T2 トレインスポッティング』っていうのがあって。これも要するに、『トレインスポッティング』一作目と『トレインスポッティング』二作目に至る、ユアン・マクレガー演じるキャラクターの変遷みたいなものが、なんとなくそのユアン・マクレガー(がクリストファー・ロビンを演じる)というキャスティングの向こう側に、ちょっと透けて見える、というか。かつてヤンチャだった人がすっかりいまは大人になって…みたいな。ということで、作品のトーンはまるで違うわけですけどね。『トレインスポッティング』的なものも向こうに透けて見えるな、というあたり、関連作としてどうでしょうか?

あと、今回の『プーと大人になった僕』の監督、マーク・フォースター。いろんな映画を撮っているんですけど、評の中で触れたのは『ネバーランド』という、「ピーターパンを書く時に実はこうだった」みたいな感じの話を、ちょっとファンタジックに描いた作品を紹介しましたけど。ここでちょっと推したいのは、マーク・フォースター、いろんなのを撮っているんですね。『ワールド・ウォーZ』とか『007 慰めの報酬』とかいろんなのを撮っているんだけど、マーク・フォースターで推せる作品といえばこのあたりかな?っていうので…まあ『チョコレート』とかもありますけど、僕はやっぱりこれかな、ということで、『君のためなら千回でも』という、2007年の、これはアフガニスタンで育った少年たちの話。

これもね、『プーと大人になった僕』に無理やりこじつけるなら、少年時代の積み残しを大人になってから…大人になってから少年時代の落とし前をつけに行く話というか。この二時代を並行して描いているというか、つながって描いている、というような点で通じるところもなくはないし。まあマーク・フォースターでどれかひとつおすすめするなら…というので、僕は『君のためなら千回でも』を推すなと。こちらもU-NEXTに入っておりますので、ご覧いただけたらと思います。今日はこの3本で行ってみましょう。

熊崎風斗アナ:
以上、この全てがU-NEXTで観ることができるということになっております。

宇多丸:
はい。映画がいっぱい揃っているので、映画ファンには本当にうれしいですね。ということで今週金曜、夜6時半からのムービーウォッチメン。課題作品は『若おかみは小学生!』です。

熊崎風斗アナ:
以上、「UTAMARU-NEXT」でした!

 

■宇多丸推薦!『プーと大人になった僕』の次にU-NEXTで観るべき映画

  • 『くまのプーさん/完全保存版』(ジョン・ラウンズベリー監督/1977年)
  • 『T2 トレインスポッティング』(ダニー・ボイル監督/2017年)
  • 『君のためなら千回でも』(マーク・フォースター監督/2007年)
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