【2018.10.15放送】『クレイジー・リッチ!』をもっと楽しむための課題映画4選!

【2018.10.15放送】『クレイジー・リッチ!』をもっと楽しむための課題映画4選!

熊崎風斗アナ:
ここからは「UTAMARU-NEXT」のコーナーです。

宇多丸:
はい。しつこく言いますが、このタイトルには私はちょっと申し訳ないと思っております。私自身は全くね、次の段階に行く気配ゼロでお送りしております。ということで、「好きな映画の世界がもっと広がる」という趣旨でお送りしているこのコーナー。毎週金曜に僕がやっている映画評論コーナー、ムービーウォッチメン。

その中で、その週に私がいろいろと語っているじゃないですか。で、バーッと語っている中で関連作…たとえば監督の過去作であるとか、その歴史の流れの中でいろいろなタイトルを出していると思うんですけど。そういうのを関連して観ていただくとさらに…たとえば最新の映画を観て、それに関連する映画を観ていくと、またいままでみなさんがご存じなかったり、あとは食わず嫌いもあるじゃない?

たとえば古い映画だと「白黒映画だから観ない」とかさ。そういうような食わず嫌いも解消するいいタイミングになって。そしてまた世界が広がっていくいいきっかけになるんじゃないかということで、みなさんにご紹介をしていくというコーナーでございます。そんな感じでね、みなさんにご紹介する映画はね…。

熊崎風斗アナ:
U-NEXTのラインナップから宇多丸さんが選んでいるということですね。

宇多丸:
はい。ということで先週、金曜日にムービーウォッチメンで扱いましたのは、「ナメてたアジア人が超お金持ちでした」映画こと、『クレイジー・リッチ!』をもっと楽しむための何個かの作品をご紹介したいと思います。

『クレイジー・リッチ!』、評の中でもしつこく言いましたけど、メインキャストはオールアジア人キャスト。それで普通に大ヒットしたハリウッドのメジャー会社作品ということで、非常に歴史的に画期的な、意味を持つ作品。作品そのものはすごく軽いタッチで楽しめるロマンチック・コメディなんだけど、ハリウッドの中のアジア人の描かれ方としては非常に画期的なものがあるというようなご紹介の仕方をしました。

で、その流れで言いますと、評の中でも言いましたけど、まずそのオールアジア人キャストのハリウッド映画っていうと、実はこれさかのぼること25年前になってしまうんだけど、1993年。『ジョイ・ラック・クラブ』という映画があって。『クレイジー・リッチ!』は『ジョイ・ラック・クラブ』以来の快挙というような言い方をされていますね。というわけでぜひ、この機会に『ジョイ・ラック・クラブ』、ご覧ください。

話としては、中国系のアメリカ人というか、移民で渡ってきた中国系の家族がいて。それぞれ麻雀卓を囲んでいる4人の女性が中国からいろんな事情で移民してきた。で、いまはアメリカで暮らしているというお母さんというか。で、その娘たちの世代もいるわけですよ。アメリカで生まれた。『クレイジー・リッチ!』で言うところの「ABC(American Born Chinese)」っていうね、そういう第二世代もいるわけです。だから一世と二世、その二世代の女性たち。麻雀卓を囲んでいる4人×2=8人のぞれぞれのエピソードっていうのが交互に描かれていくというような構成になっていて。

で、『クレイジー・リッチ!』の大金持ち一家のおばあちゃん役をやっているリサ・ルーさん。この方は『ジョイ・ラック・クラブ』の方にもその麻雀卓を囲んでいる1人として1エピソードを担当しているという感じですので。そのキャスティング自体とか、あとは『クレイジー・リッチ!』のクライマックスは麻雀が出てきますけども。それも『ジョイ・ラック・クラブ』へのオマージュのようなことが言われていますね。ということで、ぜひぜひ『ジョイ・ラック・クラブ』、こちらもご覧ください。

あと、『クレイジー・リッチ!』でものすごい貫禄で一家をまとめる姑役を演じていたミシェル・ヨーさん。そのミシェル・ヨーさんがある意味名を轟かせた、アメリカでも大ヒットを飛ばした作品として、『グリーン・デスティニー』。2000年のアン・リー監督作品。これは中国・香港・台湾・アメリカ合作で、言語的には英語じゃない作品にもかかわらず、当時アカデミー賞とかも席巻したりして。アジア人がハリウッド映画というか、みなさんの意識を変えていくという一端としてはひとつ、また大きな作品だったんじゃないでしょうか。『グリーン・デスティニー』。

あとはジョン・M・チュウさんが今回は一気にブレイクしましたけど、自分はリメイクとか続編専門の監督になりかけていて…というあのインタビュー。彼の本音の部分っていうのをご紹介しましたけども。その中でも言っていた『G.I.ジョー』の2作目、『G.I.ジョー バック2リベンジ』。これ、イ・ビョンホンが敵役で出てきて、イ・ビョンホンがチョン・ドゥホンさんという韓国のアクション監督みたいなのを一緒に連れてきて、このアクションシーンがすごく見どころがある作品にもなっています。そういう意味でも「アジア人、ここにあり」っていうのを、そういうところでも少しずつ発揮してきたという『G.I.ジョー バック2リベンジ』、こちらもご覧ください。

あと、もう1個。「白人女性にキャストを変えて。それだったら映画化できるよ」っていう提案を原作者が断ったっていうお話をしましたよね?これ、ハリウッド映画ではよくあることなんですよ。他の人種がやっているのに白人のキャストを主役に変えて。これ、いわゆる「ホワイト・ウォッシュ」というような言い方をされて。白人化してハリウッド映画化するっていうのはよくある話なんですけど。それのある意味、悪い一例というか。2008年の『ラスベガスをぶっつぶせ』という、MITの学生たちが知恵を使ってラスベガスで一気に勝っていくという話なんですけども。実際にはMITのアジア人を中心としたチームだったにもかかわらず、主人公級を全員白人青年に変えてしまって。

で、当時、2008年にして非常に非難を浴びたんです。キャスティングそのものに。なんだけど、2008年の時点でもそんな露骨なホワイト・ウォッシュがあるぐらいで。という意味でも『クレイジー・リッチ!』のケビン・クワンさん、原作者の方が「白人キャストでならできるよ」っていうのを突っぱねたりとか。いろんな…Netflixからオファーがあったのをあえて、やっぱりハリウッドのメジャー会社でやることに意味があるということでワーナーでやるとか。そういういろんな壁とか思いを超えての『クレイジー・リッチ!』の大ヒット。さらに思いが深くなるのではないかというあたりで『ラスベガスをぶっつぶせ』。こちらも参考作品としていかがでしょうか?

熊崎風斗アナ:
以上、全てU-NEXTで観ることができます。

宇多丸:
映画が特に充実していますので、映画ファンにはすごく便利だと思います。そして今週金曜、夜6時半からムービーウォッチメンで扱うのは、『プーと大人になった僕』です。

熊崎風斗アナ
以上、「UTAMARU-NEXT」でした!

 

■宇多丸推薦!『クレイジー・リッチ!』の次にU-NEXTで観るべき映画

  • 『ジョイ・ラック・クラブ』(ウェイン・ワン監督/1993年)
  • 『グリーン・デスティニー』(アン・リー監督/2000年)
  • 『G.I.ジョー バック2リベンジ』(ジョン・M・チュウ監督/2013年)
  • 『ラスベガスをぶっつぶせ』(ロバート・ルケティック監督/2008年)
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