【2018.10.1放送】『愛しのアイリーン』をもっと楽しむための課題映画5選!

【2018.10.1放送】『愛しのアイリーン』をもっと楽しむための課題映画5選!

熊崎風斗アナ:
ここからは、新コーナー「UTAMARU-NEXT」です。それでは宇多丸さん、よろしくお願いします。

宇多丸:
このタイトル、すいませんね(笑)。私が次の段階に行くとか、そういうことでは全くないんですけども。

ということで、今日から始まった新企画。要は僕、毎週ムービーウォッチメンというコーナーで、最新映画を時評してますよね。その中でたとえば、「この場面でこの映画を思い出した」とか「この作り手はこれを参考にして作っているはず。実際にインタビューで言っていた」とか、いろいろと関連作がポンポンポン出てくるじゃないですか。

熊崎風斗アナ:
はい。

宇多丸:
で、やっぱり評する側としては、今やっている最新映画をきっかけに、古今東西のいろんな映画のドアを開いて、それをきっかけに今まで観なかったような映画にさらに触れて欲しいんですよね。たとえば、「この映画が好きだということは、この映画も好きかもしれない。古い白黒映画で興味なかったけど、これが好きならこれも好きかもしれない」って。そうやって観てみたら、さらに好きな映画の世界が広がるかもしれない。なので、関連作品はぜひ観てほしいなっていつも思っていたんです。それをまとまった形でご紹介するのがこのコーナーです。

熊崎風斗アナ:
はい。

宇多丸:
何個紹介するかは、コーナーが始まったばっかりでまだ塩梅が見えないんですが。今日は思いっきり詰め込んでいますけども(笑)。

熊崎風斗アナ:
紹介する映画は、U-NEXTのラインナップから選んでいますので、聞いてすぐに観ることができます。

宇多丸:
U-NEXTは映画のラインナップがすごく充実しているんですよ。なので、「UTAMARU-NEXT」。すいませんね。何度も言いますけども、私が次の段階に向かうとか、そういうことではございませんので。

それではまず、1回目。先週金曜日にムービーウォッチメンで扱った吉田恵輔監督最新作。新井英樹さんの漫画の初の映画化作品、『愛しのアイリーン』をもっと楽しむための作品をいくつかご紹介いたします。

で、『愛しのアイリーン』はまず原作の新井英樹さんがこの漫画を描く時にそもそも意識していたという作品として、評の中でも触れましたけど、フェデリコ・フェリーニ監督の、1954年の『道』という作品を挙げています。これはもう、映画史に残る名作中の名作として知られていますけど、意外とこういう名作とかね、実は観ていない人はいっぱいいると思うんだけど。

『愛しのアイリーン』の、ああいうめちゃめちゃ無骨で、言っちゃえばほとんど乱暴な…愛し方というのかな?それが暴力的な表出の仕方しかできないような男と、買われてきたような関係性みたいな女性がいて。その関係性そのものはまったく正しくない関係性のまま、こじれたままアレしちゃうんだけど…そこに「何か」はあったんじゃないのか?このどうしようもない、救いようもない男の人生にたったひとつ、光のようなものがそこにはあったはずなのに、というようなところのあたりで。『愛しのアイリーン』に通じるようなところはめちゃめちゃありますし。これをきっかけにフェリーニのこの映画。フェリーニの中でもネオレアリズモ時代というか、昔寄りなんだけど、見てみるとかなり通じるところがあるんじゃないでしょうか。『道』。これ、おすすめでございます。

あと、ド底辺の中でもがき、泥沼の社会の底辺で這いずり回るようにしている2人がせめてもの…っていう感じで寄り添いあうラブシーンの愛おしさ、美しさみたいなところで、「久々にラブシーンを観て泣いちゃった」って『愛しのアイリーン』評の中で言った際に、「この作品を思い出しました」ということで挙げたのが、『そこのみにて光輝く』。2013年の日本映画。監督の呉美保さんの大出世作ですね。菅田将暉くんとかはこれが俳優としては大ブレイク作ということになると思いますけどもね。

あと、吉田恵輔監督の過去作もU-NEXT、いくつか入っておりまして。たとえば前作の『犬猿』とかも入っていたりするんだけど、お母さんとの関係性っていうのが『愛しのアイリーン』は非常に濃いものだったりするので、そういう意味では『麦子さんと』。これ、吉田さんが実際のお母様との関係性みたいなものを元にして作られたような作品だったりもするそうです。2013年の『麦子さんと』。このあたりはいかがでしょうか?

あとは、真利子哲也さんが新井英樹さんの出世作『宮本から君へ』を、今年のはじめにテレビドラマ化したんですよね。こちらなんかもまさに参考映像としては間違いないでしょうし。

その真利子哲也さんが、『宮本から君へ』に先立って2016年、これも新井英樹さんの『ザ・ワールド・イズ・マイン』とか『キーチ!!』とかに影響を受けて映画化したと言われている、『ディストラクション・ベイビーズ』。柳楽優弥くんがすさまじい作品でした。真利子哲也さんと新井英樹さんのテイスト的つながり、血脈のつながりみたいなものを見る意味でも、こちらの作品なんかをファミリー・ツリーならぬ「フィルム・ツリー」的に観ていただくとよろしいんじゃないでしょうか?


…ということで、こんなに詰め込んじゃダメだね!(笑) ともあれ、こんな感じでこのコーナーをやっていきたいと思います。

宇多丸:
今週金曜夜6時半からのムービーウォッチメン、課題作は『クワイエット・プレイス』でございます。

熊崎風斗アナ:
ということで以上、「UTAMARU-NEXT」のコーナーでした!

■宇多丸推薦!『愛しのアイリーン』の次にU-NEXTで観るべき映画

  • 『道』(フェデリコ・フェリーニ監督/1954年)
  • 『そこのみにて光輝く』(呉美保監督/2013年)
  • 『麦子さんと』(吉田恵輔監督/2013年)
  • 『ディストラクション・ベイビーズ』(真利子哲也監督/2016年)
  • 『宮本から君へ』(真利子哲也監督/2018年)

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